op.8「2015 ROUGE 赤」

OP.8 ROUGE 2015  375ml   1本税込1,512円  現在 完売しました!

2015年伊那市で収穫されたワイン専用葡萄メルローで作った辛口赤ワインです。昨年6月に発売した「op.5 2014 ROUGE」の原料とは伊那市の中でも栽培者も畑も異なります。葡萄の様子を見た時から熟成が必要な重いワインにはならない気がしましたので早飲みのワインにしようと仕込みの方針を決めました。しかしそこはメルロー、発酵終了後からワインらしい香りが早くから立ち上がってきて11月中旬にはいい感じにに仕上がってきてしまいました。通常メルローなどのワイン専用品種ですと2年以上の熟成されたものが商品化されていますが、必ずしも熟成というか時間を経ることが全てのメルローにとって重要なことではないようです。要はその葡萄の力が発揮されそのワインが魅力的に表現されれば良いのだと。渋味、酸味、香りなどのバランスが良ければ美味しいと思っていただけるワインになるのではないでしょうか。熟成が必要なワインは全体のスケールが大きく、早飲みののものは小さい円グラフにバランスよく収まっている感じで良いのです。栽培製造は困難を極め偉大で神々しく芸術的で賞賛に値するといったワインではありません。ただただ飲みやすくて美味しいと感じていただけるだけのものになれれば成功だと思います。

さてこの2015年のメルローを軽めでフレッシュなタイプで発売する準備に入りましたがしかしこのメルローだけではバランスがとり切れませんでした。香りは早々に開いていて酸も穏やかで良いのですが奥行が無いといいますか味わいがないのです。色も薄い。メルローと謳うにはさすがに軽薄すぎました。時間をおいて落ち着かせれば少しは風格も出るかもしれませんがそれではこのワインの意味がありません。そこで他のワインとのブレンドで欠点を補う方策にでるのですが、昨年のカベルネフランは今年入手できなかったので、昨シーズンの様な荒々しい力でバランスをとってくれるパートナーはありません。さてどうしましょう・・・・。   実は醸造期間中から多少の心積りはありまして、2015年のシーズンに訪れた新たな出会いが伊那ワイン工房の商品ラインナップの広げてくれるであろうと確信があったのです。初夏に長野県の池田町からその隣町の大町市でワイン葡萄の栽培をされている女性の方とお会いする機会がありました。「うさうさのプチファーム」の名前で自前のブドウから作られたジュースとワインの販売をなさっておられます。9月にはこの方の葡萄を3種類売っていただいて仕込んでありました。そのうちの唯一の赤品種が「富士の雫」という名前の日本産のワイン専用品種で、山葡萄×カベルネソービニオンの交配種の私も初めてお目にかかった珍しく貴重な品種です。大変に丁寧に栽培されており無病の良い葡萄を分けていただき通常の仕込みをして貯蔵していました。色は強烈に強く濃いワインなのですが酸味が無く個性の弱い癖のない飲みやすいワインです。このワインを1割分だけメルローのワインに加えますとこのメルローワインの不足していた点が補われました。あっさりと解決です。新鮮さがある若さを感じさせるのに果実味だけではなく熟したメルローワインの趣も感じる早熟で飲みやすいワインができました。合わせる食事は洋食になってしまうでしょうか。ラベルにはデミグラスソースを使った料理と記載しましたが肉でもパスタでもOK。結構負けずに腰の有る個性で追従してきます。1割分ですが富士の雫のおくゆかしさが軽々しく主張したがる若メルローの勝ち目のない反抗心を握り潰してくれているかの様です。

販売数量は375mlで400本程度です。今年の自社メルローはこれにて終了で、赤ワインは今後山葡萄を昨年同様に甘口で出すことを考えています。富士の雫も数百本分まだありますので早々に壜詰めをして頃合いを見てご披露しようと思います。お楽しみに。

完売いたしました!