op.1 「2014ナイアガラ辛口」

ナイアガラ2014

 

 

 

 

 

※完売しましたm(__)m

批判を恐れずに申しますと、ナイアガラブドウのワインは日本独自のワインとして意味の深いワインだと思っています。ワイン醸造に不向きなアメリカ系の食べるためのブドウですが、考え方次第では非常に特徴のある気軽なワインのカテゴリーの中の一つとして確立できるはずです。ここ20年位、北海道、山形県、長野県などでは安定した人気のある商品が作りだされています。

私がワイン醸造を始めたころ(30年位前)ヨーロッパ系ワイン専用種の栽培と専用品種によるワインが日本のワイン造りのこれからの本道だと思ってやっていました。北海道で最初にブドウ栽培を教えていただいた農業試験場の先生に長野県に移ってから数年後、少し自信を持てるワインが作れたので報告がてらお送りして感想を求めた時がありました。多少のお褒めの言葉と批評をいただいた後締めくくりにこうおっしゃいました。「最高のラブラスカ(アメリカ系ブドウのこと)ワインを作ってみせてくれ」と。当時の私は長野県の中堅ワイン会社の醸造係りで、ブドウの8割はアメリカ系のブドウをワインにする仕事。(巨峰、コンコードなど)そんな状況をご存じの先生だから元気づけにおっしゃられたのかもしれませんが、当時は非常に驚きました。北海道で当時ドイツ系のワイン品種の研究と導入を進めていた最先端の方からこう言われてしまうとは。日本でワイン製造に携わる者に対して非常に意味の深い言葉で、以来ずっとこの言葉の奥を考えつつ仕事をしてきました。

ナイアガラのワインは甘い香りとのバランスでどうしても甘口のワインが似合います。しかし、食中酒として日常の生活に馴染むには辛口を作りたいところですが、なかなか魅力あるものになりません。できるものなら新ワイナリーの第一弾として辛口ナイアガラワインを挑戦的にぶつけてみたいと前から思っていました。伊那の地にきて驚いたことの一つに10月末なのにまだナイアガラがたくさん収穫されずに残っているいこと。この地のブドウ栽培はもぎ取りを目的とした観光農園が主流で、観光客が絶える11月初旬までブドウをもぎ取り可能な状態で維持していることが普通に行われています。今回分けていただいたナイアガラは「雅秋園」(老舗の観光ブドウ園で地元での評価の高い有名所)さんで大切に育てられていたもので、畑にお邪魔して実っている状態を見てこれだと思い売っていただきました。

無論最高のラブラスカワインではありませんが、いくつかのラッキーが重なり私なりには納得のゆくワインだと思いましたので、記念すべき作品1(op1)として発売することにしました。香りは開かずに知的な感じ。飲み口はあっさりですが、余韻が長く残り、最後までナイアガラ甘さを連想させるものはありません。本当にナイアガラ?と言われるのがお褒めの言葉と受け取ります。でもどう見てもナイアガラなんですでど。限定約1500本。375ml 1080円(税込) ※完売につき現在注文を承っておりません。

醸造係り