op.2 「2014紅玉りんごワイン」

 

OP.2紅玉リンゴワイン  375ml入りです。 ※完売しましたm(__)m

りんごの品種名いくつ思い浮かびますか。近年は「ふじ」という超優秀な品種が定着していますので多くの品種がマイナー銘柄になっていしまいます。私と年齢が近いアラフィフ以上の方々には「国光」「紅玉」とセットになって出てくる小ぶりで赤くて酸っぱいりんごを思い浮かべる方も多いと思います。日本デビュー以150年余り、「国光」は「ふじ」の親として次世代を作って表舞台から去ってゆきましたが、かたや「紅玉」は浮き沈みの激しいりんご品種選抜界において常にマニアックな存在として地位を保ってきました。甘くてこく味のある「ふじ」の対極として懐かしい思いをこめて語られることが多くファンも根強く、アップルパイやアップルティー、ジャムなどの加工原料としての需要からここ数年よく目にするようになっています。それでも栽培量は少なく、加工原料としての入手が困難なりんごには変わりありません。 「紅玉」の魅力は①酸味②色③香りだと思います。悪い点は収穫後短期間で「ぼける」(長野県の方言だそうですが、果肉が柔らかくなりみずみずしさがなくなった状態)こと。旬が短く貯蔵が利かないために生産者から見ると売りにくい品種ですし、消費者からすると買ってもすぐにおいしくなくなってしまうため数多くは買い置きできないりんごなのです。加工業者も短期間に集荷をして時期を外さずに最優先で加工しなくてはならないというわがままな原料です。

こんな貴重な「紅玉」を信州の佐久平で生産販売している農家の団体「佐久産直センター」様より納品いただきワインにしました。 りんごから作られたワインに出会ったことがない方も多いと思います。また、海外ではシードルと言ってガスを含んだスパークリングワインが主流で、普通のぶどうワインのような透明化の工程を経たもの(スティルワインといいます)はほとんど流通していません。大手の酒類メーカーさんが優秀なシードル(ガス入り)を定着させていますが、私は同社のスティルワインを見たことはありません。(アルコール強化したリンゴワインはありましたが)なぜりんごのスティルワインが作られないのかを書き出しますと長くなりますのでおいおい「作り手のつぶやき」のほうでご説明させていただきます。

OP.2はりんごのワイン。日本でワインを作ることの意義を考えるには大変に重要なテーマだと思っています。同じロットで入荷した原料をop.2でスティルワイン(ガスのない濾過された通常のワイン)、op.3でシードル(濾過していない濁った状態で耐圧壜にいれ後発酵をさせて発泡性にしたもの)に分けて同時発売をします。op.2はリンゴを絞ってジュースにしてから酵母を加えて発酵させ狙った味になったら亜硫酸を入れて発酵を停止させ清澄、濾過、壜詰めの工程でつくられています。糖分は発酵時からまったく加えていません。アルコール分は7%程度、やや黄色みを帯びた辛口の透明なワインに仕上がりました。グラスに開けるとあきらかに紅玉りんごの香りがします。口に含むと「あれ水っぽい」と感じられるかもしれません。この点がブドウワインと比較して味わいの薄さととられてしまうところです。でもこのワインは繊細な心で接してみてください。りんごの香味が口の中に広がってきます、酸味も十分、飲み込んだ後にはさわやかな余韻と若干の渋味が舌に残ります。甘味の少ない辛口ですからお食事と合わせてみてください。

リンゴワインはヨーロッパで確立され格付けされている一般のブドウワインと異なり「これが本物のリンゴワインだぞ。だからこの味を覚えて他のワインを比較評価したまえ」という決定的で権威的な型がまだ日本にはないカテゴリーだと思っています。飲まれた方がおいしいと思えばよいしまた飲みたいと思えばよいし他の人にも教えてあげたいと思っていただければ、それが日本のリンゴワインの姿になるのだと思います。アルコールを上げたり、甘みを残したりリンゴ品種を変えてみたり手立てはいくらでもあります。「こんなリンゴワインはいかがですかー」といった意味合いでバリエーションを今後出してゆきます。皆様の味覚と日常のニーズに合った、ツボにはまったリンゴワインがありましたらどうぞご感想をお寄せください。リンゴ王国の日本です。日本人の味覚で日本のリンゴワインを作り上げてゆく試みはいかがでしょか。

作り手

op.2 「2014紅玉りんごワイン」 への1件のフィードバック

  1. おおいけ様 のコメント:

    今回追加でまたお願いしました。際立った爽やかさが素敵です。日頃白ワインが大好きで辛口だけを好んで飲んでいる昨今ですが、リースリングの辛口に似て、更にそれよりも際立った酸味の爽快感を感じます。

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