op.13 「2015シャルドネ」

P8071092720ml入り 2400円(税別)

伊那ワイン工房初の専用品種での白ワインとなります。伊那市で栽培されているシャルドネ種を分けていただき、単独で自社商品用に醸造したものです。シャルドネ種は最も有名な白ワイン品種でしょう。世界中、日本中どこで作ってもワインらしいワインになります。ワインらしいという表現はフランスブルゴーニュの白ワインを手本としていることにほかなりませんが。ブルゴーニュの中でもイメージの異なるタイプのシャルドネワインがあり、果実味を生かすか熟成味を出すのかで造りのイメージは変わってきます。スッキリして美味しいワインから一口飲んでも皆が沈黙してしまい感想も出せないくらいの芸術的なワインまでを表現できる力のある品種であることは間違いないと思います。熟成/果実、高級/並級、濃厚/スッキリ、芸術/飲料、熟/若そして陰/陽。シャルドネを醸す時はそのブドウの状態やその他多くの事情を加味した決断により、作り手はこのどちらのタイプを作りたかったのかがわかるシャルドネワインが作り手としては好きです。イメージは抱いて醸造しても、結果、通常はどっちつかずのワインに収まってしまうのですが。。。さて、このop.13はどうなったのかと言いますと、非芸術的でスッキリ、美味しい飲料系のシャルドネに舵を取って進みだしたつもりです。そうは言いましても、十分な製造環境ではありませんし、何より作り手の「陰」が災いしてか少々曲がって進みます。発酵後タンクで冬越しして4月に壜詰め。この時点では爽やか系でフレッシュ感で飲んでもらうには良い、酸味のしっかりした爽やかなワインになっており「こんなもんかな」と思っておりました。すぐに売り出せば初志貫徹となったのですが、それからさらに4か月寝かせての発売には少し邪念を絡めてしまったためです。期待以上、この期間置いただけではっきりとシャルドネの雰囲気がでてきました。さすがシャルドネ種だと感心しますし、伊那の畑の可能性を感じるワインとなりました。陽には作りきれず、上記の偉そうな信念を実現できていない作り手ですが、良い経験となりました。短期の熟成ですが澱を出してしまいましたが、このまま出荷します。飲む前日から冷蔵庫に立てて冷やしてから静かにお楽しみください。