昨年2014年、塩尻市産のナイアガラブドウから作った白ワインです。ナイアガラというブドウは長野県の代表的な品種で、北海道でも栽培されていますが生産量から見るとほぼ長野県独占品種といえます。特徴的な香りで皆さんが最もブドウの香りとして認知している香りでしょう。栽培も比較的安定していて、生食用やジュース用として長野県の塩尻市付近では広く栽培されています。ただしワイン用となりますとこの香りが賛否両論となり、外国のワインを基準に考える方の中には「ナイアガラはワインぶどうに非ず」とみる方もおられます。私もワイン造りを始めたころはナイアガラでワインを作るのが嫌で仕方がなかったのですが、発想を変えれば他国には無い独自のワインカテゴリーを確立できるわけで、長野県でワインを作る者としては真剣に取り組むに値するチャンス品種だと思うようになりました。
op.6はナイアガラのワインを糖分ゼロの状態でタンクで半年ほど貯蔵をしておいたところ味に深みが出てきて、ジュースのようなフレッシュタイイプと異なる味わい深い白ワインとなりました。香りはナイアガラ香が花開いておりますので少々甘さを加えて味と香りのバランスを取りました。上品な甘さで香りが強く、味わいもこの品種にしては持ち合わせている、そんなワインになりました。
地元の販売店様からの要望もあり、この商品は720mlの壜に入れ国産ワインのいわゆるレギュラー商品の価格帯に参戦してみることにしました。高級ワインではありませんので、原料の供給さえ可能であれば製造量を増やして安価で親しみやすい定番の商品になってほしいと思います。地元での夏祭りで使っていただいた時や、ご近所での評判が良かったので発売に踏み切りました。「新酒のでるこの時期に一年貯蔵のナイアガラワインを発売とは何を考えとんねん」と関西風に突っ込まれそうですが、今年2015年のナイアガラ新酒op.7との同時販売で何か意味付けをしてみました。ナイアガラの方向性の差をかんじていただけたら幸いです。
ナイアガラのワイン2014をいただきました。
甘口とお聞きしていましたがさわやかな甘さでナイアガラの果実そのままの香りでした。来店時、高遠には毎年伺うとお話しましたが、毎年、キノコ狩りに行くのです。
この日とれたクロカワの佃煮ととても合いました。