2014年伊那市で収穫されたワイン専用葡萄で作った本格的辛口赤ワインです。 フランスはボルドー地方で広く栽培されているメルローという品種と、同じくフランスで栽培されていますが少しマイナーな品種カベルネ・フランという2つの品種を使っています。それぞれ収穫時期が異なりますので、ここぞと判断した時期で収穫されたブドウはそれぞれタンクで仕込み、タンクの中でこの冬を無事に越して4月にそれぞれのワインを少量ずつ取り出してブレンド試験をして比率をきめ、ブレンド後しばらく安定させる期間を置いたのちに壜詰めしました。メルロー6に対してカベルネ・フランを4の比率はフランスの有名シャトーでも公表される比率に見ることあります。カベルネ・フランはあまり聞くことの少ない品種名かもしれません。カベルネ・ソービニオンの名はワインブドウの代表格として良く聞くことがありますが、ソービニオンがマッチョな重量級柔道家ならばフランは筋肉のしまった中量級の柔道家といったところ。どちらも金メダル級で現役のストイックな名選手ですが、種目は力強さの塊のようなプロレスラーではなく未だ道を求める柔道家がふさわしく、二人並べて比べて遠目に見ると、フランの方が小ぶりでスピード感がありかっこよく優しそうに見えるのですが、近くで見るとやっぱりごつい格闘家であることに気づきます。表現によっては小さなカベルネ、優しいカベルネ、エレガントなカベルネ…などのイメージをされているのも目にしますし、実際単品のワインでは華やかで明るいワインもみかけます。しかし実際フランを醸してみるとやっぱり格闘家だったんだと思い知らされました。そこでメルローの懐の広さをお借りしてバランスを取りました。収穫から一年もたたないワインですが、十分魅力的だと思いますので発売を決めました。1年位は上昇すると思いますが、若さのある今の方がいろいろな味わいが楽しめると思います。いつかはフラン単体でご覧いただけるようなワインを作りますのでお楽しみに。
なるほど。そういうことですね。音楽も、指揮者によって求めるものの差が出ますよね、って、あんまり音楽のこと知らないわたしがいうことでもありませんが。ちなみに道を究めたと言われると、手を出したくなくなる。天邪鬼です。途上の美しさ。筋肉質のフラン、そして、それが比較されるべきではない、それぞれに固有の位置づけ。しかも収穫の時期というような時間的な膨らみは、素敵ですね。今夜は、若さをいただいています。